老後資金の貯め方は?30~50代など年代に合わせた貯蓄方法をご紹介

「老後生活のために、安心できるお金を確保することができるのだろうか」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。今回はそんな方々のために、老後に必要な金額はどれくらいなのか、どうすれば賢く老後資金を貯めることができるのか、30代・40代・50代・60代などの年代に合わせた方法や基礎知識を詳しくご紹介していきます。

老後資金の貯め方は?30~50代など年代に合わせた貯蓄方法をご紹介

「老後資金は2,000万円の貯蓄が必要」と言われているが、実際のところはいくら必要?

老後資金は、2,000〜3,000万円が目安となると言われています。

各家計の貯蓄や収入の状況にもよりますが、総務省の家計調査報告によると老後に不足する可能性のある資産は、およそ2,000〜3,000万円とされています。
試算すると、夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦が定年後に無職となって公的年金などの社会保障給付のみで生活する場合、1世帯につき月間19万円程度が支給されます。
家計調査を参考にすると、生活費、住居費、リフォーム、自動車購入、保険医療費などの月々の支出が約27万円となり、年間では96万円程度が不足する可能性があります。
平均寿命を考慮して、老後期間を20年とした場合、約1,920万円、25年で約2,400万円となります。
厚生労働省の簡易生命表の概況を参考にすると、95歳まで生存する割合は、男性で10.1%、女性で26.7%となっており、今後の医療技術の発達や、さらなる長寿化、余裕のある老後生活を考えると、上記よりもさらに多くの2,000~3,000万円程度を確保する必要もあるのです。

このような状況から、個人による老後資産の形成は誰もが考えておくべき課題であると言えるでしょう。

老後資金の貯め方として、具体的なおすすめの方法を教えてください。

具体的には定期預金、NISA、iDeCoなどを活用することをおすすめします。

老後資金の貯め方として以下を参考にしてください。

  • 定期預金

    老後資金の貯め方として、まずはおすすめするスタンダードな方法は定期預金です。
    通常の金融機関の定期預金を利用する方法はもちろん、勤務先で社内預金や財形貯蓄制度がある場合には活用することをおすすめします。
    これらの制度を利用すれば、給与天引きのスタイルで貯金をすることができ、無駄遣いを防ぎながら貯蓄することが可能です。
    職場に社内預金や財形貯蓄制度がない場合には、銀行の自動積立定期預金を利用することで先取り貯金ができます。

    定期預金のメリットは、通常の預貯金と比べると金利が高いことや、手数料が基本的にかからないことが挙げられます。その他、運用によって老後資産を形成する方法とは違って元本割れするリスクがないこと、預金保険制度の対象となることなども利点です。
    これらの理由から、堅実に老後資産を形成する場合には、定期預金をまずは利用することがおすすめです。
    定期預金のデメリットは、現在の日本では金利のみではほとんど利益が出ないことが挙げられます。メガバンクで10年定期などを組んだとしても年利は0.01%程度です。そのため、100万円を預けていたとしても年間100円(税引き前)程度にしかなりません。
    また、定期預金で預け入れしたお金は原則満期を迎えるまでは引き出しできず、引き出す場合は解約しなければなりません。そのため気軽に引き落としできないことはデメリットになります。
    その他、万が一銀行が経営破綻した際に適応される預金保険制度がありますが、各銀行につき、元本保証されるのは1,000万円までとなっています。そのため、1,000万円を超える資産がある場合は、複数の銀行に分けて管理する手間がかかります。

  • NISA、つみたてNISA

    NISAとは少額投資非課税制度の略称です。株式や投資信託などの金融商品に投資を行った際には、原則発生した売却益・配当利益に対して約20%の税金が課せられます。
    そこでNISA口座を利用すれば、毎年一定の金額の範囲内で購入した金融商品から得ることができる利益に対する税金が非課税となります。

    NISAには「NISA」と「つみたてNISA」の2種類があります。NISAは非課税期間の長さが5年(※ロールオーバー制度を利用すれば10年)となっており、つみたてNISAは20年です。

    NISAを活用するメリットとしては、定められた年間投資額(NISAは年間120万円、つみたてNISAは年間40万円)までは利益に対する税金が非課税になることです。また、NISA口座であれば手数料無料の金融機関が多いことも利点となります。
    一方、NISAのデメリットは投資限度額が定められてしまっているため、大きな金額の運用はできないことや、損益通算ができないことなどが挙げられます。

  • iDeCo

    iDeCo(イデコ)は、個人型確定拠出年金の略称です。自分で毎月の掛け金を決めることができ、毎月積み立てながら、運用方法を選択し、資金形成することができる制度となっています。掛け金および運用益の合計額は、60歳以降に年金または一時金として受け取ることができます。

    iDeCoのメリットは、主に税制優遇です。掛け金は全額が所得控除の対象となること、運用益・分配金については非課税となること、年金または一時金として受け取る際に一定額まで非課税となることが挙げられます。
    iDeCoのデメリットとしては、原則として60歳まで引き出すことができない、運用の仕方によっては元本割れなどの損をする場合がある、加入時や運用時に手数料がかかる、利用限度額(サラリーマンは月額23,000円、自営業は月額68,000円)が定められている、などがあります。

    なお、iDeCoは運用せずに定期預金として利用するという選択肢もあり、この方法であれば、運用益は見込めないものの、iDeCoのメリットである税制優遇を受けつつ、元本割れの心配もしなくて済みます。

30代・40代・50代・60代と、年代別の老後資金の貯め方でおすすめの方法を教えてください。

iDeCo、NISA、投資信託、株式投資、不動産投資など分散投資しつつ貯蓄することがおすすめです。

30代・40代・50代・60代と、年代別の老後資金の貯め方としておすすめの方法は以下の通りです。

  • 30〜50代の老後資金の貯め方

    金融広報中央委員会が調査した家計の金融行動に関する世論調査によれば、2,000万円以上の貯金がある人の割合は、30代で8.7%、40代で11.3%、50代で18.0%とされています。
    いきなり2,000万円以上を貯めるとなるとかなりの高額をイメージしてしまいますが、老後までには時間があります。そのため早めに貯蓄・資産運用を始めるほど、余裕を持ったプランを立てることが可能です。

    老後資産を形成するための方法としては、まずは定期預金・貯蓄型保険などを利用しながら、堅実に働いて貯蓄を続けることが第一です。得られる給与アップを目指すために、キャリアアップや転職を検討していくことも重要だと言えるでしょう。
    そこから、余剰資金で投資の運用を始めることも大事です。投資ジャンルとしては、iDeCo、NISA、投資信託、株式投資、不動産投資などが挙げられます。とはいえ、株式投資は知識が必要であり、かつ元本割れの可能性もあります。不動産投資は、運用を始めるまでにある程度の初期費用を用意しなければなりません。
    そのため、iDeCo、NISAなどをうまく活用しつつ、プロフェッショナルに運用をしてもらえる投資信託なども視野に入れて、着実に長期プランで資産形成を行うのがベストでしょう。

  • 60代の老後資金の貯め方

    総務省の家計調査によれば、世帯主が60歳以上の世帯では、貯蓄残高300万円未満の世帯は15.8%、貯蓄残高100万円未満の世帯は8.5%となっており、老後資金として貯めておきたい2,000万円に届かない世帯も全体の割合としては多く存在しているのが事実です。
    そのため、30代〜50代の間になるべく早めに資産形成を始めることをおすすめしますが、60代に入ってから、焦って積極的な資産運用に踏み出してしまうと、大きな元本割れを起こした際に非常に厳しい痛手を被ることになります。
    そのため、定期預金以外に、余剰資金を活用して、iDeCo、NISA、投資信託、株式投資、不動産投資などを焦らずに運用することが重要です。60代以降は、定年となるため、労働に伴う支出が減り、子供の教育費も成人・独立によってかからなくなってきます。30代〜50代にかかっていた支出が減る分、うまく老後資産形成に回していきましょう。

    ただし、60代以降は健康面での不安が大きくなったり、病気の治療のために医療費がかさんだりする可能性が高まるため、急な出費に対応できるようある程度手持ち資金に余裕を持っておく必要があることは頭に入れておくべきです。

定期預金や貯蓄型の保険は途中解約した場合の注意点を教えてください。

定期預金、貯蓄型の保険は、途中解約すると受け取れる金額が減少してしまうことがあります。

定期預金、貯蓄型の保険は、ここまでお伝えしてきた通り老後資金を形成するために有効な手段ですが、万が一支出がかさばってお金が足りなくなった場合、途中解約をすると受け取れる金額が減少してしまうことがあるため注意が必要となります。

  • 事例①:貯蓄型の保険を途中解約した場合

    貯蓄型の保険を途中解約した際は、それまでの掛け金となった保険料の全てが返ってくるとは限らないことを覚えておく必要があります。契約内容にはよるものの、掛け金に返戻率を掛けた金額分が払い戻されます。
    例えば、毎月3万円の20年間積立を行おうとしていた際に途中解約が発生した場合、返戻率が75%であれば、以下の通りの試算となります。

    3万円×12ヶ月×20年=720万円(払込保険料の累計金額)
    720万円×75%(返戻率)=540万円

    通常の貯金をしていた場合と比べて、720万円−540万円=180万円分の損失となるため注意が必要です。

  • 事例②:定期預金を途中解約した場合

    定期預金を途中解約した場合は、元本割れすることはないものの、受け取れる利息が少なくなってしまうことがあることは覚えておきましょう。
    例えば、毎月5万円を8年間積み立て、満期を迎える前に途中解約し、通常1%の利息が0.5%と半減した場合には、

    5万円×12ヶ月×8年=480万円(累計預入金額)
    480万円×1.0%=4.8万円(当初予定していた利息)
    480万円×0.5%=2.4万円(途中解約によって確定していた利息)

    となり、もらえる利息は4.8万円−2.4万円=2.4万円で、2.4万円分の損をすることになるため注意しておきましょう。

  • 損をしないために途中解約せずにカードローンを利用する方法もある

    ここまでご説明した通り、貯蓄型の保険や定期預金は途中解約すると大きく損する可能性があります。そのため、手元の資金が足りなくなった場合や、大きな出費が発生した際には、これらを途中解約するのではなく、「カードローンを利用する」という選択肢も考えられます。
    カードローンには無利息期間が用意されているものもあります。そのため期間中に返済できるのであれば利息も発生せず、途中解約での損失リスクも避けることができるのでおすすめです。

まとめ

老後資金を貯めるための対策は、早い段階から行なっていくことが非常に重要ではあるものの、30代・40代・50代・60代と、年代を重ねても、老後資金を貯蓄する方法はあることがお分かりいただけたかと思います。今回の記事を参考にしていただきつつ、老後に必要な金額を貯金できるように、計画的に貯蓄と投資運用を行なっていくことが重要です。老後資金を計画的に貯めながら、臨時出費の対応や、生活資金の足しが必要になった際には、カードローンの利用も選択肢に入れておくと良いでしょう。

監修:野間 正司

賃金業務取扱主任者3級FP技能士

カードローン、キャッシング、消費者金融の貸金業に従事して18年目。顧客応対、審査業務は10年以上の経験があり、多いときには月間約2,000件以上の最終与信決裁に携わり、顧客の様々な資金ニーズや生活を目の当たりにしてきた。顧客の返済に関するカウンセリング業務や法的手続きの相談業務、苦情相談窓口業務、コンプライアンス担当まで貸金業に関わる幅広い経験を持つ。2児のパパ。趣味はロードバイク、波乗り、トレッキング。